待ってました、実践ハイパフォーマンスMySQL が発売されました。公称の発売日は 10 月 18 日でしたが、本屋ですでに平積みになっていたので早速購入して読みふけりました。
著者は Jeremy Zawodny's blog でもおなじみの Yahoo! Inc のエンジニア Jeremy D. Zawodny 氏。世界最大規模のトラフィックを裁く Yahoo! の現場で培ってきた MySQL の運用技術とノウハウが凝縮されたすばらしい一冊です。
本書籍は MySQL に関する基礎的な How To が記述された本ではありません。具体的なコマンドや SQL が云々というよりももう少し後で必要になる知識、たとえばサーバーのパフォーマンスチューニング、ストレージエンジンの各特長や選択に関しての指針、レプリケーションアーキテクチャ、ベンチマークの手法といった、主にエンタープライズ用途で MySQL を運用するのに必要不可欠な内容を中心に記述された書籍です。
それ故に具体的に手を動かしてどうこうというよりも、もう少し読み物的な側面の強い技術書で、他の MySQL 関連書籍には記述されていないような重要な話がこれでもかというぐらい詰まっています。
とりあえず第7章のレプリケーションのあたりまで読みましたが、MyISAM、InnoDB に代表されるストレージエンジンの相違点や選択基準、MyISAM RAID や MyISAM Merge の適用場面、MySQL のインデックスやオプティマイザがどのような規則によって最適化されているかという点、OS に Linux を採用した場合のボトルネックとなるであろうポイント、3.23 系と 4.0 系でのレプリケーションアーキテクチャの違いなどが非常に参考になりました。
また、MySQL の利点だけでなく弱点についても技術的側面からしっかりと言及されているので、今後どのようなポイントについて注視しなければいけないか、また安心できる要素はどこかといったところを整理できたのも良かったです。MySQL はハッカーのおもちゃではない、他の RDBMS をも凌ぐすばらしいソフトウェアであることを再認識できます。
MySQL を実際のサービスで利用しようとしている、あるいはすでに運用済みという環境が目の前にあるデータベースエンジニアは一度読んでおいて絶対に損のない内容だと思います。ページ数がそれほど厚くないので、一日二日であっさり読めると思います。