July 11, 2004

ライブドアの近鉄球団買収の実益はほんとにないの?

[ インターネット ]

先週のインターネット利用者動向速報値が発表されたが中身を見て驚いた。

 ライブドア、下がってる。おいおい。スポーツ新聞の一面を飾ったりテレビ番組に取り上げられたりして一般的な知名度は上がったはずだ。一説には十億円の広告効果があったと言われている。もちろんそんなはずはないが。ただ、近鉄が売却を拒否したあとに強引に行った買収発表記者会見から堀江社長の大阪ドーム観戦ぐらいまでは局地的にアクセスされたものの、数字を見る限り四日ぐらいしかもたなかった感じだ(数字を見たい人はそれ方面の業者にきちんと金を払って情報を得るように)。

切込隊長BLOG 〜俺様キングダム よりライブドアの近鉄買収報道の実益について。

相次ぐニュース番組での報道、堀江社長のテレビ番組でのインタビューや EZ! TV での特集、日経の一面に東スポ一面、遂には 'ライブドア社長 セクシー美女と真剣交際' なんて報道まで出るわでやや祭り状態なのですが、隊長いわく「実益効果なし?」だそうです。PV うなぎ上りかと思えば、そうでもないそうですね。そうなのか。

せっかくなので広告という視点でちょっと考えてみたいと思います。

この隊長のエントリのコメントなどを見てるとライブドアのサービスという視点で議論がなされていますが、テレビや新聞での報道によるアクセス数の伸びが果たしてサービス利用者拡大に直結するのかという点について。

結論からいうと答えはノーではないかなと思います。

これはマーケティングの本を読んでかじった話なのですが、一般的に消費者が商品の購入を決めるまでの流れは

注意 (Attention) → 関心 (Intrest) → 欲求 (Desire) → 行動 (Action)

という 4 つから成り立っているのだそう。(これを AIDA モデルとかいうそう。AIDA 以外にも AIDCA とか AIDMA とかいろいろあるそうです。) 気づく、調べる、ほしいと思う、買う。コトラーのマーケティングセオリーによれば「認知・感情・行動の各段階」なんて話もあります。

で、テレビ広告、あるいはパブリシティ (媒体スペースを無料で確保して告知すること。つまり新聞や雑誌の記事でとりあげられるということ。) がどの段階に効果があるのかといえば、間違いなく「注意」あるいは「認知」の段階です。消費者に対してここから先の段階を踏ませるのは、広告やパブリシティではありません。

また、なにか商品に対して興味を持ってもらうためには、消費者層のセグメントを見極めて、ターゲットのあった商品をそこに落とし込むというプロセスが必要ですが、その観点からいくと、テレビや新聞での広告、パブリシティは、その商品に興味がある、ないが関係なくセグメント化されていないところに対してメッセージが発信されるので、非効率的とも言われます。

この辺を考えると、数億円の広告効果といわれるのはあながち間違いではなく、ただその効果を図る尺度をサイトの PV やサービス利用者の拡大という数字に求めるのはやや早計なのではないかというのが僕個人の考えです。

ライブドアという会社が、インターネットのヘビーユーザ、隊長がいうところの GEEK 以外の層にとって「認知」度の高い会社かといえば、それは調査をするまでもなくノーです。その層に対してライブドアという名前を刷り込むことができたという点、つまり認知度を上げたという視点からいくと、今回のライブドア近鉄買収報道による広告効果というのはそれ相応のものがあったのではないかと思います。(一般的に、広告コストはこの認知段階に莫大な費用がかかるものですから。大金払って CM 売って数字が出ずに「効果ありませんでした!」というのは、ある種のワナでしょう。)

例えば次に、ニュースか何かで「ライブドアが○○サービスを開始」という報道があった場合、以前に比べて、その報道に対して「興味」つまり「注意/認知」の次の段階の行動を起こすユーザははるかに多いはずです。この興味を持ったユーザに対してどういったアクションを起こすかが、これからのカギなのではないでしょうか。

話をちょっと変えて、今回のパブリシティは本当にセグメント化されていない場所へ落ちたものだったのかを考えてみると、そうでもないことは自明。そのセグメントは二つ。

1. コアなプロ野球ファン、更にいうと近鉄バッファローズファン
2. ライブドアの IR 情報に関心のある投資家

です。Blogサービスやメールサービスなどのインターネットサービスに対して消費行動を起こすユーザではないところがポイントかと思います。

1. の正当性はいわずもがな、2 に関してはテレビ報道や日経をはじめとする各種新聞媒体で報道されたのはライブドアのサービスではなく、会社概要や IR 情報だったという点に起因します。

ということで、例えば近鉄買収に関する特集を組んだページを制作してトラフィックを集めるとか、興味をもった投資家が何らかの行動を起こしたがるようなメッセージを発信するといった行動を起こすことができれば、短期的な数値を叩きだすことは可能なのではないかとも思います。

あくまで外野の"思いつき"ですけどね。

Posted by naoya at July 11, 2004 01:32 PM | トラックバック (0)  b_entry.gif
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コメント [1件]

近鉄買収報道は、始まりでしかないという所が
ポイントだと思います。

naoyaさんが書かれているように、近鉄買収報道が
「注意 (Attention)」である事は間違いなく、
既に配信開始されているCMや
先日の「アッコにおまかせ」出演など
極めて戦略的な展開だと思います。

実益につなげる為の準備だったかもしれませんね。

しかし、「戦略的」というのが全面に出ず、
ある種の「シンパシー」を与えている点は
色んな意味で勉強になります。

あくまでも、個人的な感想/考察ですが...

[1] Posted by: やまざき at July 12, 2004 01:59 PM [返信]
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