May 15, 2004

「超」整理法 野口悠紀夫

[ ブックレビュー ]

野口 悠紀雄氏の著書『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』を読みました。もう 10 年も前の本になるのですね。

「超」整理法―情報検索と発想の新システム

以前に ChangeLog メモに興味を持って、'横着プログラミング 第1回: Unixのメモ技術' を読んだ際、

野口悠紀雄氏の『「超」整理法』*4では「書類は 1か所にまとめて管理せよ、さもなくば書類は紛失する」という「ポケット 1つ原則」が解説されているが、ChangeLogメモもこの原則と同様に、ポケットを1つにすることによって、メモの紛失を防いでいる。ファイルの上からメモが新しい順に並ぶという点も『超・整理法』に通じる。他の計算機にChangeLogメモを移動するときは、ファイルを 1つコピーするだけでおしまいである。

といったことが書かれていて、いつか読んでみようと思っていた本。それが先日、友人宅にお邪魔したところこの「超」整理法が説く"押し出しファイリング"という整理法を実践していたのに刺激を受けてすぐに書店に走り購入したのでした。そして僕も、つい先日から押し出しファイリングを始めてみました。

押し出しファイリングは角2封筒を使った非常に簡単な整理法で、書類などをまったく分類せずにひたすら時間軸で並べるというメソッドです。細かい方法など詳しくは野口悠紀雄Onlineの「超」整理法とは何かに載っています。

まだ始めて間もないですが、早速効果も現れておりいい感じです。

「この間のミーティングのとき決まった○○の内容ってどんなんだっけ?」とふと感じたときに、今までなら散らかしてある書類の山の中から一生懸命資料を探し出す、あるいは「○○プロジェクト」とかかれたファイルから資料を探し出すといったことをしていました。前者が非常に時間の無駄であることはいわずもがなですが、後者においても、その資料をどれにファイリングしたかがわからなくなったり、ファイリングしてあったとしてもその中から該当の資料を探すのに手間取ったりと、散々なものでした。

押し出しファイリングは"分類しなければいけない"という観念を取っ払って、時間軸によってそれを整理するという方法です。が、人間はそれまでの教育で整理とは分類することだという習慣を学んできたため、この"分類しなければいけない"という強迫観念が強すぎるのだそうです。みなさんも思い当たる節があるはず。

でもよくよく考えてみると、何か物を探すときのヒントというのはきまって時間だったりするものです。例えば、メモリ登録していない携帯電話番号を探す場合、携帯の発信履歴から調べますが「あのとき電話したな」という記憶をもとにそれを探ります。あるいは大量の技術雑誌の中から以前読んだ記事を探す際「確か○年前の○月号あたりに載ってた気がするなあ」と思って探すとあっさり見つかったり。

人間の記憶というのは、時間と、その時間に起きた出来事の記憶によって紐付けられているというのがよくわかります。それを、物の整理に置き換えるとこのようなメソッドになるという良い一例だと思います。

この分類せずに時間軸で整理する、そして検索するというメソッドはいろいろな場面で役に立ちますし、ソフトウェアを開発するにあたってのヒントにもなるでしょう。そういえば、livedoor Blog 開発日誌で miyagawa さんが、メールの整理を Becky! でまったく振り分けせずに検索で探し出すという方法にかえたところ快適になった、なんてことを書いています。

ということで、実践的で物事の考え方にも結構新しいヒントを与えてくれるいい本だと思います。大ベストセラーなのが頷けました。

Posted by naoya at May 15, 2004 03:15 PM | トラックバック (4)  b_entry.gif
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コメント [6件]

僕はこの本を出た頃に読んだんですが、実践しているのはやっぱりメールですね。
下手に分類すると検索が面倒なことになるので、完全にカテゴリが分かれているのがはっきりしているものだけ自動分類しています。
仕事のメールは分類なし。お勉強用に購読しているMLは一応分類。
#でも分類されたメールってほとんど読まないものだったりします(^^;
あと、強いて言えば、机の上に積み上げてる書類の山。これが結構アクセス頻度時系列に並んでいるんですね。だからある時点で下のほうにある書類は思い切ってシュレッダーにかけちゃったりします。
いずれにしろズボラなんですけど(^^)

[1] Posted by: んちば at May 15, 2004 08:15 PM [返信]

初めまして。
Haru@tonetalkです。

僕は職場で超整理法を実践しています。
やってみて思ったことは、整理するための時間がいらなくなったので、時間に余裕ができたこと。
そして、デスク周りがきれいになったことです(^^)

何しろ、机上にしか書類は置かないですから、机の中はいつも整理整頓。
見ない書類は右側にたまってきますから、折を見て処分する…

確かに優れた方法です。
では。

[2] Posted by: Haru at May 16, 2004 12:23 AM [返信]

ゼミの先生もこれやってました。
その書類はたぶんその2段目の右の方にあると思う、みたいな感じで。

[3] Posted by: えり at May 16, 2004 01:18 AM [返信]

この本が出たころにたまたま読んで以来、野口悠紀雄さんの追っかけみたいに本買いまくってます。
BookOffとかで100yenで山ほど売ってるので、最近読んだ人には新刊書店で買ったのかなあ、だとしたらもったいないなあ、とか他人のことながら気になってしょうがない貧乏性の私。
あとタイトル部分の著者名がtypoのようです。

[4] Posted by: ogino. at May 16, 2004 12:10 PM [返信]

僕はこの本が出てすぐに読み、直感で「これだ!」と思い、すぐに実行に移して今も書類整理に押し出しファイリングを使っています。
今ではほかの方法で書類を整理することはありえないと言えるほど、重宝しています。
しかし、短所もあるようです。
気のせいもあるとは思いますが、この整理法は場所を取りすぎる傾向はないでしょうか。
どんなに小さいものでもA4の封筒というフォーマット(ファイルシステム)に入れることで、なんとなく場所を取りすぎているような気がします。特に高さを取りすぎるような気がします。
押し出しファイリングが理想的に機能するためには、A4の封筒を縦に入れてたっぷり入るだけの棚が必要だと思います。

[5] Posted by: おぐらじお at May 17, 2004 09:36 PM [返信]

こんにちは(^^ゞ

野口悠紀雄氏繋がりでTバックさせていただきました(^^ゞ

今後ともよろしくおねがいします★

[6] Posted by: ken at May 18, 2004 04:59 PM [返信]
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