July 25, 2003

韓国のIT産業を復興したゲーム『Starcraft』

[ ゲーム ]
「韓国のIT事情は、日本のメディアで紹介されたころには『いつの話をしているの?』ということが本当に多い」んだそうだ。そうなのかも。(自分とかそういう話を聞いてるだけだし・・)

で、ナマの韓国IT事情を聞きましょーということで、「“韓国ITを最も正確に伝えるジャーナリスト”として活躍中」という趙章恩さんへの電話インタビュー記事。前・後編にわかれてます。なかなか面白いです。

network styly * で韓国のIT事情の現在についてのお話が。その引用文に StarCraft の話が出ていたので反応してみます。

[趙] PCバンがゲームで盛り上がっていた時代は、米国製の『StarCraft』という単純で人数が多くないと面白くない戦争ゲームがほとんどだったので一緒に盛り上がれたのですね。ところが、『リネージュ』などは、どちらかというと家で1人でやるようなゲームですから……。

ここに出てくる『StarCraft』、韓国で盛り上がったのは間違いないのですが、その盛り上がり様は半端じゃない。

本題に入る前に、StarCraft って何なのという人のために軽く解説。StarCraft は Blizzard Entertainment が 1998 年に発売した RTS (リアルタイム・ストラテジ) と呼ばれるジャンルのゲームです。簡単に言えば戦争ゲームで、兵士を使って戦わせて全滅させたら勝ちというシミュレーション、それがターン制ではなくリアルタイムで進行します。そしてインターネットで対戦可能。

sc.jpg

より詳しい話については僕が過去に作成した Espoir Starcraft House ME というサイトの 'スタークラフトとは?' でも読んでいただければと思います。

さて、本題。この韓国での StarCraft の盛り上がり様を記述したサイトからいくつか引用していきます。驚く話、面白い話が満載です。

まずは国内の StarCraft 関連のサイトの最高峰 Starcraft Navel の '世間での評価' より

SC/BW について語る場合、お隣の韓国における度を越えた熱狂ぶりに触れないわけにはいきません。

韓国では、SC/BW 合わせて200万本以上売れています(つまり SC 単体で最低でも100万本は売れているということです)。ネットやPCの普及率の違いはあるにせよ、日本と韓国の人口比(約2.7対1)を考えれば、PCゲームとしてこれがいかにとんでもない数字かわかるでしょう。

かつて日本ファルコムが韓国産RPG『西風の狂詩曲(ラプソディ)』(SCと同じ1998年3月発売)を日本向けにローカライズして発売(1999年10月)するに当たって、「5000本でヒットと呼ばれる韓国のゲーム業界において驚異の80000本をセールス!」(★)という宣伝文句をつけてましたが、実は韓国では SC/BW は1999年10月の時点で既に100万本売れていました。1998年3月以前の韓国におけるPCゲーム業界の状況がもし本当に「5000本でヒット」であったなら、これまた SC/BW がいかに前代未聞の想像を絶する大爆発であったかがわかるというものです。

StarCraft は当時開催された数々のゲームコンテストの賞を総なめにしたことでも有名なほどのヒットゲームです。栄光の数々は Blizzard Entertainment 'Awards' で見ることができます。そんなヒットゲームである StarCraft の売り上げに韓国がどれだけ貢献したかは、Game Watch の 2003年2月3日の記事 'Vectis Internationalが市場調査を発表韓国オンラインゲーム市場は17億6,000万ドル規模に成長'に以下のようにあります。

Blizzard Entertainmentの「Diablo II」の全世界における販売高のうち韓国での販売高が30%を占め、「StarCraft」にいたっては販売高の40%も占めているという。日本では1月31日に発売された「Warcraft III」は7月の発売開始以来20日間で33万本も販売しているという。

世界中でヒットした作品の売上高の40%が韓国という、なんだかもうわけがわからないデータです。

forGamer.net の中の 'Kimの韓国最新PCゲーム事情'では

韓国のIT産業を復興したゲーム「StarCraft」

なんて一言まであります。韓国のIT産業の起爆剤になったのは国の政策でもなく、大手企業のIT戦略でもなく、ほかならぬネットゲームだったという。

この StarCraft の加熱ぶりを語る上で外せないのが、StarCraft のプロリーグの存在や大学入試の話。-= F O X =- というサイトの中から引用するのは

特に韓国では、プロゲーマーの登場、大学入試への採用、芸能人がバトルネットをファンとの交流の場に使用したりと、一種の社会現象にまでなった。

発売されて約2年が経過した今現在でも、アメリカでは毎月の月間ゲームソフト売上TOP10に入り、韓国では頻繁に大会が開催され、TV中継されている。

の部分。まるで料理の鉄人のようにゲーマー同士の試合がTV放送され、大学入試にまで採用されるという始末。恐るべし韓国魂。これは StarCraft プレイヤーの中ではとても有名な話で、オンラインゲームの話をする際のネタとして良く語られます。プロリーグが存在するぐらいですから、やはり韓国人プレイヤーの腕前の平均値は他の国のプレイヤーに比べて圧倒的に高く、日本人代表 vs 韓国プロゲーマーなんてのがイベント化されたりしたことも多々ありました。

ちなみに、お隣韓国でこれだけブレイクした StarCraft も日本では一部のユーザによって高い評価を得るものの、ヒット作品の部類に到達するほどの売り上げはありませんでした。いまいちヒットしなかった原因については色々言われているのですが、 Starcraft Navel では以下のように述べられています。

そう、「海外では」なのです。当初英語版しかなかったということや、国民的なSFやストラテジーゲームに対する嗜好や人気の問題からか、日本では海外のように他を圧倒する絶大な支持を獲得するまでには至りませんでした。完全日本語版も発売されましたが状況は変わりませんでした。そうこうするうちに、2000年3月末をもって、当時の国内代理店であったソースネクスト社による販売は終了してしまいました。

しかし、Starcraft Navel の Tsu2 さんの本音はそこではなくて、販売代理店だったソースネクスト社の戦略失敗、あまりに酷かった完全日本語版の出来にあるのだと 'ノーモアSC 日本語マニュアル' や 'オリジナル英語版との違い' といった記事から見て取れます。

話を戻して、ちょっと気になるのは先に紹介した 'Kimの韓国最新PCゲーム事情' の記事。

「StarCraft」が,ここにきてまた人気を集めている。先日,PCゲーム販売のランキングでStarCraftが1位を奪還した。

 「StarCraft」は,2002年4月までの韓国での販売本数が250万本と発表されているが,実質的な人気はもう終わったと考えられていた。だがその後も月平均3万本の売り上げをキープし続け,先日になって1位の座を取り戻した。これは昨年(2002年)韓国のPCゲーム市場で一番多く売れたタイトル「TOP BLADE」が30万本だったことを思えば,すごい販売量だといえる。

長い間熱狂的人気を誇った StarCraft ですが、その人気はまだ持続していて、今またにわかに活気づいているのだとか。この記事は 2003 年 3 月のものですから、割と最近の話です。5年前に発売されたゲームがコンスタントに3万本売れてるってどーいうことですかと。

僕がときどき話題にしている Warcraft III は、StarCraft と同じ Blizzard が作った RTS ですが、どうやらこちらは StarCraft ほど盛り上がってはいないようです。とは言ってもそれは全世界的なことであって、やっぱり相対的に見ると韓国が一番盛り上がってるというのは間違いなさそうです。

Posted by naoya at July 25, 2003 01:22 AM | トラックバック (1)  b_entry.gif
トラックバック [1件]
TrackBack URL: http://mt.bloghackers.net/mt/suck-tbspams.cgi/304
ゲームと、韓国と、良いパクリと悪いパクリ。
Excerpt: 韓国にゲームが存在しない理由と、ゼルダをパクったwikiというゲームソフトへの批判に潜むおかしさ。
Weblog: 真性引き篭もり
Tracked: May 13, 2005 11:31 PM
コメント [5件]

昨年、WarCraftIII:RoCが発売されてからの、韓国のPCゲームの売り上げを雑誌で見ていましたが、今年に入ってもずっと一位をキープしていました。
しかも、StarCraftもTop10に入っていたのでかなり驚いた記憶があります。

しかし、StarCraftにしてもWarCraftにしても、長期間のプレイに耐え得る完成度の高さと、何度やっても底の見えない懐の深さみたいなものを感じるので、私はどちらもとても好きなゲームです。

[1] Posted by: RyuSogen at July 25, 2003 09:55 AM [返信]

はじめまして。

ワタシはスタクラプレーヤーではないんですが、
フラフラとリンクたどってきたら興味ある記事だったので書いてみました。

韓国のゲーム放送をみたことがあるんですが、
ゴールデンタイムにスタクラの対戦が放送されていて、
しかもかなり盛り上がっていました。
その放送はネット配信されているんですが、
韓国国民番号がないとみれないので紹介できないのが残念。
知り合いが韓国に知り合いがいてレジストしてもらったそうで、
そんな関係でみせてもらいました。
日本でもこういうのやればいいのになあ

http://www.negitaku.org/

[2] Posted by: Yossy at July 25, 2003 12:28 PM [返信]

RyuSogen

WC3 は SC に比べるとやや飽きがきやすいかもとだいぶ前から思ってたんだけど、どうだろう。Battle.net で ATG とか RTG のシステムができたのはいいんだけど、あれで戦うと会話とか意思疎通が乏しいゲームも多々あって、相手が人というよりコンピュータに近い感覚のときもあるし。RoC のときはだいたい戦略もパターン化されちゃってたのが飽きの原因になってた気もする。

Yossy さん

ゴールデンタイムにゲームの対戦の様子が放映されるって、日本じゃ考えられないですね。すごい..。ゴールデンで放映され続けてるってことは、ちゃんと視聴率も取れてるってことですよね。ううむ。

[3] Posted by: naoya at July 27, 2003 11:52 AM [返信]

最近になってリプレイにプレイヤーのチャットメッセージが出るようになったので、上手いチームのチャットは参考にしています。<意思疎通
RoCの戦略がパターン化してるっていうのは、結構感じていましたが、TFTになってからは色々と幅が拡がったと思うので、これからに期待したいと思います。

[4] Posted by: RyuSogen at July 28, 2003 10:38 AM [返信]

中国や韓国のネットゲームの盛況ぶりに対して、こんなご意見も(ながーい文章の下の方)
http://219.113.143.242/blog/kirik/archives/000201.html

オレにはこの辺の話はよくわかりませんが、集中するものが少なければより集中するというのは、ゲームに限らず「なるほどねぇ、だからあちらは」といった印象。
元々勤勉で売っている日本が、産学ともにダメになってきている理由は、これの逆かも知れません、とかいってみたり(^^

[5] Posted by: ooba at July 29, 2003 11:29 PM [返信]